先日、オリナスのピアノコンサートを開催しました。
コンサート当日の様子は教室のInstagramでご紹介しています。
ぜひご覧ください。
初めて参加した子たちは、ステージは怖くないとわかったんじゃないかな。不安でも緊張していても、音楽を奏で始めれば必ず終わるのです。弾き終えた後、晴れやかな顔でステージを降り、ご家族のもとに駆け寄る姿が愛おしかったな。
出演が2回目以上の子たちは、格段にレベルアップしていて、音楽に対する理解力も上がったし、演奏テクニックもステージマナーも身についてきました。もちろん、これからクリアするべき課題は一人ひとりにあるけれど、今できることを精一杯に表現できていて、どの子も素晴らしかったです。
コンサート後の子どもたちの本音
本番前の最後のレッスンで、わたしは生徒さんたちにこんな話をしました。
「本番前に準備すべきことは、これまでのレッスンでずっとやってきたよ」
「未来のことは、やってみないとわからない。だから不安なのはあたりまえ!」
「何回練習してきても本番はドキドキするものだよ」
「ミスしたときにどう対処するか、そっちのほうがずっとずっと大事」
「間違えたからといって、今までの努力がゼロになることは絶対にないからね」
それでも、発表会後の振り返りで、「途中で間違えちゃった」「いつも間違えないところでミスしちゃった」と、良かったことよりも、できなかったことに目が向いてしまう子が多くみられました。特に年齢が大きくなるほど、その傾向が強いようです。
「大丈夫、上手だったよ!」という言葉がほしくて、無意識に自分を守るための言葉(保険)を口にしてしまうのかもしれませんね。
そんな保険をかけなくたって、みんな本当によく頑張って、いい演奏だったんだけどなぁ。
自分で自分に厳しいダメ出しをしてるみたい。一番の味方は自分なのに。
良い演奏の基準ってなんだろう?
子どもたちにとって、良い演奏の基準が「ノーミス」になっているのは、音楽を競技にしてしまった某テレビ番組や産業化したコンクールの功罪かもしれません。
機械的な点数や誰かの評価で結果を出すことに慣れすぎてしまって、「自分で自分に満足する(やりきったと認める)方法」を忘れてしまっているように感じます。
だからこそ、わたしは振り返りのレッスンでみんなのことをたくさん褒めました。それから、敢えてこんな話もしました。
・Aちゃんへ
わたしは「間違えたからダメだった」なんて1ミリも思ってないよ。もしノーミスをいい演奏だと思って、それを目指してるなら、極端な話、自分で弾かずに電子ピアノの自動演奏を流しておけばいい。でも、それは絶対違うでしょ?
・Bちゃんへ
「●●で忙しかったからうまくできなかった」ってならないように、●●だからどうするか?を考えながら練習してきたよね。「やりきった!」と思えない理由はどこにあるの?
もしかして【本当の自分】がいて、本当はもっとできるはずだったって思ってる?
そうだとしたら、それは幻想です。今の自分のがんばりを、自分が認めてあげないでどうするの。
・Cくんへ
本番で1つも間違えたくなかったら、今回以上の練習量が必要だったということだし、それがわかったことが良かったよね。
それに、例えばわたしが「5回」と提示したとして、きっちり5回やってくる子、10回やってくる子、3回しかやらない子、1回もやらない子、100回やって、さらにプラスアルファをやってくる子がいるんだよ。どのくらい練習するのか、決めるのはいつも先生じゃなくて自分自身だよ。
(おうちの方には、ぜひリトミックをやっていたころの様子を思い出してほしい。そして「おさんぽのーと」や「ソルフェージュ」の宿題にどんなふうに取り組んでいたか?子どもの本質はあのころとほとんど変わっていないと思うんです)
お子さまたちにとっては、少し耳の痛いこともあったかもしれません。今すぐに腑に落ちなくても、いつか「あぁ、こういうことか」とわかるときがくればいいなと思っています。
ミスのない演奏がいい演奏かと問われれば、わたしはNOだと思います。
それぞれの子が、それぞれの納まるべきところに納まった、本当に意味のある本番でした。
▼振り返りのあと、こんなことを書いてくれた生徒さんも
保護者の皆さまへ │「完成度」とこれからの成長
今回、保護者の皆さまにご協力いただいたアンケートの中で「完成度が高かった」という言葉が多く使われていたのが印象的でした。
皆さまがおっしゃる通り、たしかに完成度は大事です。
だって、社会に出て仕事となったときに、スケジューリングが甘くて、締切直前に慌ててちょろっとやって、“全然完成度高くなくて...すいません”という人は、どんなに性格が良くても信頼はできないですもの。(自分の言葉がブーメランのように突き刺さります…苦笑)
仕事における完成度は、期限までに計画を立てて、きっちりやり切るプロセスの「質」だと思うんです。
お子さまたちは、まだ経験が浅く未熟だから、今、そのプロセス(計画力や実行力)を磨いている途中なわけです。結果としての完成度にこだわりすぎず、締切=本番に向けていろいろな方法を試行錯誤してみることができるのは今だけ。子どものうちの特権です。
演奏に100点満点や正解はありません。(そもそも100点満点のテストは、あまり意味がないと思う。だって、その子にとっては振り返る必要がないレベルの学びだったということなんだもの)
やり遂げたこと、できたことのほうにもっと目を向けられるよう、これからもお子さまたちの「やり抜く力」をじっくりと見守っていきたいです。
▼「もう一回発表会に出たら(今よりもっと)できるようになる」と言っていた生徒さん
ご家庭ではぜひ
「本番までよくあきらめずに準備したね!」「緊張を乗り越えてやり切ったね!」と、改めてお話いただけたら嬉しいです。
それから、一番近くでお子さまを支え、サポートしてくださったおうちの方ご自身のことも、たくさんたくさん労ってほしいなと思います!
いつもあたたかく支えてくださる保護者の皆さまに、改めて御礼申し上げます。
コンサート当日の様子は教室のInstagramでご紹介しています。
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